2015年3月3日火曜日

スペシャルイベント「木下酒造見学と、銘酒・玉川をフィリップ・ハーパー杜氏と味わう会」のご案内。

大阪酒塾では、春のスペシャルイベントとして、京丹後市の木下酒造(有)の見学と、銘酒「玉川」をフィリップ・ハーパー杜氏とともに味わう会(バスツアー)を開催いたします。
創業1842年の木下酒造は、山廃純米酒や無濾過生原酒で人気を博しています。



詳細は下記の通りで、大阪酒塾会員様には、すでにご案内通知をお送りしました。
新たに会員登録されてご参加希望の方は、このブログ右側に掲載しております事務局「たこ茶屋」
箱部まで、お電話にて、まずはご入会のお申し込みをお願いいたします。

◆日時 2015年4月5日(日)
            午前9:00 「たこ茶屋」前に集合。バスにて出発します。
     *大阪市北区曽根崎新地1-11-19 北新地スタービル前

◆行程と実施時間
       午前9:10 たこ茶屋前を出発。現地到着後、夕刻まで滞在。
            蔵元との宴会、温泉入浴もいたします。

◆会費 お一人様 ¥12,000円(税込)
           *交通費、昼食代、飲み物代、温泉入浴料を含む。

◆定員 40名
          *満員になりしだい、締め切ります。
            
             
                  


2015年3月2日月曜日

交野市の山野酒造株式会社にて、蔵見学と懇親会を開催しました!

大阪府の河内地区にある交野市。閑静な住宅地と農地が残るこの地域には、大阪屈指の伝統を持つ山野酒造が操業しています。
3月1日(日)はあいにく花冷えの雨模様でしたが、30名を超える大阪酒塾の会員が参加されました。
山野酒造は江戸末期から明治初期にかけての創業ですが、そもそもは貝塚市から一族縁戚の方たちと移り住んだそうです。往時の面影を残す蔵元の敷地と棟は広大で、大阪市内から京阪電車で45分ほどで、こんなステキな蔵元風情が味わえます。





まずは、蔵元の山野久幸 社長より、銘酒「片野桜」の歴史や酒造りの特長について解説。江戸時代末期創業。年間製造石数が約400石という小規模の酒蔵ですが 全製造数量の約8割が特定名称酒で、その内の5割を「原酒」で蔵出しするほど 「原酒」 にこだわりをもって日々酒作りに励んでいます。いわゆる、大手メーカーの下請けである「桶売り」はせず、つねに生一本の酒造りを続けてきています。つまりは、本来の河内の地回りの酒でした。



また、現在の市場課題や酒税や法律に関する問題点など、普段では知りえない興味あるお話しも拝聴し、参加者からもさまざまな質問が飛び出しました。


そして、いよいよ蔵見学。山野酒造の酒造りを総括する、浅沼 政司 杜氏は、岩手県花巻市よりやって来られている、南部杜氏です。平成10年より山野酒造へ着任し、現在は3名の蔵人とともに年間400石の製造に指揮を揮っています。
とても穏やかな表情と南部訛りもまじったお話しに、参加者との交流も和みました。



今は大吟醸を中心とした仕込みが最後の追い込み。コンパクトな洗米機もフル稼働し、限定吸水のチェックに余念がありません。これは、五百万石を使う純米吟醸の浸漬中。心白の水分率を手と目と頭で確かめる、まさに手造りに徹します。



蒸し米の引き込みやもやし後のさばきには、簡素な箱麹タイプが主流です。歴史を刻んだ山野酒造の酒蔵は大きな棟ですが、昔ながらの手作業を続けているため、自動制御の設備はほとんどありません。つまり細分化が難しいので、少しのスペースで知恵と技を活用しています。
麹室では、仕上がった麹を吟味させて頂きました。





酒母も大吟醸、純米大吟醸を醸している最中で、スーパー明利などこだわりの酵母を使った仕込みが目立ちました。山野酒造の仕込み水は、生駒山系の伏流水。元来はやや硬水系でしたが、ここ数年で硬度が柔らかく変化し、浅沼杜氏が着任した頃から中軟水になっているとのことです。




醪タンクも見学、蔵の壁際に沿って設けられた狭い通路を通りながら、高泡の立つタンクから芳しい香りをかぐ参加者の皆さん。蔵に満ちた発酵の香りに、うっとりと酔いしれました。
通常の上搾には薮田式のふねを一台使用し、やはり400石の仕込みというスケールがよくわかりますが、山野酒造の蔵棟からは、かつては1000石酒屋に近かったのではないかと考えられます。





蔵見学の後は、まずはテイスティング。できたての無濾過生原酒、中取りの吟醸酒のほか、個性的な古酒も登場して、利き酒を楽しみました。
ちなみに、山野社長は蔵元の利き酒コンテストで優勝するほどの舌を持っておられるとか。片野桜の味わいの良さも頷けます。






約3時間の蔵見学が終了、山野社長にもご来席いただき、お楽しみの懇親会です。
会場は交野市駅前の老舗寿司店「味楽鮨」。片野桜をはじめとする美酒で、宴会を楽しみます。



鈴木塾長の開宴挨拶では、山野社長さんとの御縁を披露されました。かつて、鈴木塾長が全国の利き酒コンテスト大阪代表として上京した際に、同行されたのが山野社長だったそうです。
お互い利き酒のプロ同士、長いご縁をつないでいます。



参加者からは料理の美味しさにも、満足の声が上がりました。
山野社長を囲んでの酒談義もそこかしこに見られ、有意義な蔵元見学会となりました。