2014年8月28日木曜日

銘酒「白鷺の城」の田中酒造場の会を、大阪市北区の名店「入道」で開催しました!

兵庫県姫路市の銘酒「白鷺の城」は、天保6年(1835)の創業。姫路城に由来する銘柄です。
地元の清流・夢前川の伏流水で但馬杜氏が仕込む美酒は、全国新酒鑑評会でも金賞を受賞。兵庫県産山田錦、亀の尾など多彩な顔ぶれの酒を、大阪市北区の名料理店「入道」で楽しみました。





まずは、田中酒造場の代表取締役で、蔵元の・田中康博氏からご挨拶です。
鑑評会ほか様々な受賞歴を持つ蔵元・白鷺の城。 田中社長は、伝統文化の担い手として親交の深い甲冑の名門・明珍宗理氏ともコラボレーションして、個性的な酒も企画しています。


それでは、お料理のスタート!入道さん手作りのイラスト入りメニューは、記念にもなりますね。
まずは、「お祭りさしみ」・・・さらし鯨のおばけ、紅芋茎、こんにゃく、鱧など。




センスの良さと美味しさに、会員の参加者からはため息がもれます。繊細な味付けとしつらいが、ゆっくりと傾ける、白鷺の城の味わいにもピッタリです。
そして、「生うにたまご」は、ひんやりツルリとした夏の人気メニュー。淡路島の赤うにを使った、
茶碗蒸しの冷製です。




お造りの盛り合わせが登場、田中社長さんじきじきに、参加者の会員様へお酒を酌に回られました。



旬の肴・鱧の棒寿司にも、舌が弾みます。



「天然アユの塩焼き」は、兵庫県・佐用郡の千種川産。たで酢で召し上がり、骨せんべいも!
おちついたお腹に、夏野菜の優しい旨味を「胡麻あんかけ」で楽しみましょう。



そして、シメが大好評! 入道の料理長こだわりの「冷やしソーメン」です。
播州そうめんに、氷トマトに胡瓜もみ、名物のたまごの黄味てんぷらを添えて、いただきました。
極上の美酒に、最高のしつらいのお料理! 入道さん、ありがとうございます。ごちそうさまでした。














2014年8月19日火曜日

銘酒「車坂」の吉村秀雄商店 見学 ミニレポート!

吉村秀雄商店は、大阪府との県境に近い和歌山兼岩出市に、大正4年(1915)創業しています。
銘柄は、特定名称酒としては「車坂」「鉄砲隊」などが人気ですが、かつては灘にも蔵を持つほどの規模だった「日本城」の銘柄もあります。


大阪酒塾の会員に、まずは代表取締役 安村勝彦社長よりご挨拶をいただきました。
創業者の吉村秀雄氏は、明治にかけて殖産興業の生糸の製造で一財をなした吉村家に誕生しています。長兄ではなかったために、独立起業するため小学校を卒業する灘の酒蔵で奉公を始めました。そして、一人前の商人となった、大正4年、『兩人對酌山花開』 (気の会う人と酒を飲むのは、山の花が咲き乱れるほどに楽しい) という李白の詩に感銘を受け、 『誰もが酒を飲めるように。酒とともに、幸せを感じられるように』を座右に刻み、酒造業を興したそうです。


それでは、いよいよ蔵内へと入り、「車坂」の醸造現場を体験しましょう。
会員を案内してくださるエスコート役は、杜氏の藤田晶子氏です。吉村秀雄商店では、平成25BYより杜氏を務めておられます。東京都出身、東京農大を卒業後、石川県の鹿野酒造で農口尚彦杜氏の元で酒造りに励まれ、その農口杜氏の推薦により、吉村秀雄商店の杜氏へ就かれました。



藤田氏の着任により、蔵では農口流の床麹を実現するべく、全面温度・湿度管理のできるパネル式の麹室を4室、そして将来的に山廃の温度管理もできるように空調酒母場を1室新設。いずれも、これまでの現場と様相を一変する画期的なシステムの麹室です。



現状は、500石程度の出荷量とあくまで手造りに徹する吟醸蔵へと進化しています。
また、かつて仕込んだ美酒の熟成品やレアもののヴィンテージ酒も秘蔵されており、ファンには垂涎のボトルも貯蔵されています。




見学後は、美酒のテイスティングと会食。あらためて藤田杜氏からのお話しや、営業部長で蔵元のご一家でもある吉村 毅 営業部長より、商品説明をうかがいました。
今後の車坂、鉄砲隊などの新たな液酒や新商品を期待するばかりでした。

 
















2014年8月6日水曜日

銘酒「黒牛」の㈱名手酒造店  蔵元見学ミニレポート!

本年3月 酒の醸造も終盤を迎えた和歌山県海南市 ㈱名手酒造店へ、蔵元見学に参りました。
いまや和歌山屈指の日本酒として、地酒ブームを先駆けた銘酒「黒牛」は、全国にファンを持つ美酒!
紀州の食材とマッチするキレ・香り・旨味のバランスの良さで、多くのグルメに愛飲されています。



銘酒「黒牛」で知られる名手酒造店は、遥かな昔、万葉集の時代から栄えた海南市黒江の地にあります。ここはかつて美しい入江で、小島や岩礁の点在する風光明媚な景勝地で、その中の大岩が黒い牛のように見えたことから、銘酒「黒牛」が銘々されています。
蔵元の塀には、その由来も明記していました。




さっそく、蔵元の名手 孝和 社長よりご挨拶をいただきました。
名手酒造の創業は慶応2年(1866年)、幕末の動乱期に誕生しています。地元では、かつて菊御代(きくみよ)と言う銘柄で親しまれたそうです。


いよいよ、蔵へ入ります。さすがに歴史を感じさせる佇まい。豪壮な梁や伽羅色の柱に圧倒されながら奥へと進むにつれ、まだ春先の冷たい蔵の空気を体験できます。
冬場の冷え込みがこの木造建築を通して、寒造りに適していることも実感します。




特に、名手酒造店の純米酒は全国の200件ほど酒販店へ、直送されているそうです。
この黒牛 純米酒は平成2年に発売され、こだわりの専門店や料理店からニーズが高まり、地酒ファンの心を掴んだブランドとして確立しています。
淡麗ながらキレとコクの美しい酒は、蔵にある井戸水「万葉黒牛の水」という軟水で、麹米造りからモロミまで仕込まれています。





また、歴史と伝統を語る逸品の天秤しぼりの酒槽(ふね)、数々の道具類も残され、訪れた参加者の目も楽しませてくれた一日でした。