明治5年(1872)に創業、蔵元の建つ「石部」の町は東海道五十三次の51番目の宿場街でした。
重厚な漆喰壁の蔵、それを取り囲む粛然とした気配は、あたかも江戸時代へ戻ったかのようです。
ここは京都から江戸へ向かう最初の町として栄え、旅人は、地元の酒を必ず飲んだと伝わります。
そのうまさに、一度飲んだ人は、他人に教えたくないと、口をつぐむようになりました。
竹内酒造のルーツである酒も、いつしか「語らずの酒」と呼ばれるようになったと言います。
現在、代表銘柄は「香の泉」と「唯々」。「香の泉」は香りが良く綺麗な酒という酒名の由来通り、飲みやすくのど越しの良さが特徴です。
さっそく、蔵見学へ! 案内は、営業部の梯 英一 氏で、大阪酒塾との長い御縁を持つ、造りにも精通したプロフェッショナルです。
現在、竹内酒造の酒は、滋賀県内75%、県外25%程度ですが、好調な売れ行き。販売する酒がなくなってしまうというほど。
生産量も1000石を超えて、その理由は、かの農口尚彦杜氏の弟子である能登杜氏の中村尚人氏(35)を迎え入れたことにあるようです。
モロミの発酵も、おだやかで、旨み十分な香りがタンクから立ち上っています。
会員の皆さん、おもわず開放タンクを覗き込みますが、おっと! ご用心!
炭酸ガスでめまいがしないようにしてくださいね。
上搾は、基本的にヤブタ式と袋搾りを併用しています。設備も新しく、蔵の中も整理整頓が行き届き、美酒が醸される条件がそろっています。
そして、お待ちかねの利き酒! さまざまな「語らずの美酒」が並び、会員たちからも感嘆の声が上がりました!
最後は、蔵元の武石恭芳 社長にもご参加頂き、美食と美酒のうたげです!
近江で人気を高めている竹内酒造に、大満足のツアーでした。