2014年8月19日火曜日

銘酒「車坂」の吉村秀雄商店 見学 ミニレポート!

吉村秀雄商店は、大阪府との県境に近い和歌山兼岩出市に、大正4年(1915)創業しています。
銘柄は、特定名称酒としては「車坂」「鉄砲隊」などが人気ですが、かつては灘にも蔵を持つほどの規模だった「日本城」の銘柄もあります。


大阪酒塾の会員に、まずは代表取締役 安村勝彦社長よりご挨拶をいただきました。
創業者の吉村秀雄氏は、明治にかけて殖産興業の生糸の製造で一財をなした吉村家に誕生しています。長兄ではなかったために、独立起業するため小学校を卒業する灘の酒蔵で奉公を始めました。そして、一人前の商人となった、大正4年、『兩人對酌山花開』 (気の会う人と酒を飲むのは、山の花が咲き乱れるほどに楽しい) という李白の詩に感銘を受け、 『誰もが酒を飲めるように。酒とともに、幸せを感じられるように』を座右に刻み、酒造業を興したそうです。


それでは、いよいよ蔵内へと入り、「車坂」の醸造現場を体験しましょう。
会員を案内してくださるエスコート役は、杜氏の藤田晶子氏です。吉村秀雄商店では、平成25BYより杜氏を務めておられます。東京都出身、東京農大を卒業後、石川県の鹿野酒造で農口尚彦杜氏の元で酒造りに励まれ、その農口杜氏の推薦により、吉村秀雄商店の杜氏へ就かれました。



藤田氏の着任により、蔵では農口流の床麹を実現するべく、全面温度・湿度管理のできるパネル式の麹室を4室、そして将来的に山廃の温度管理もできるように空調酒母場を1室新設。いずれも、これまでの現場と様相を一変する画期的なシステムの麹室です。



現状は、500石程度の出荷量とあくまで手造りに徹する吟醸蔵へと進化しています。
また、かつて仕込んだ美酒の熟成品やレアもののヴィンテージ酒も秘蔵されており、ファンには垂涎のボトルも貯蔵されています。




見学後は、美酒のテイスティングと会食。あらためて藤田杜氏からのお話しや、営業部長で蔵元のご一家でもある吉村 毅 営業部長より、商品説明をうかがいました。
今後の車坂、鉄砲隊などの新たな液酒や新商品を期待するばかりでした。

 
















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